teacher24金 良泰(キム ヤンテ)先生

FOR YOU TALK | INTERVIEW 24自分を信じて、前に進もう

金 良泰 先生

2023年9月の邦友会誌 Vol.59に掲載された「FOR YOU TALK」記事より
経営学部国際ビジネス学科 金 良泰准教授

今夏、韓国2大学と包括連携協定を締結しました。そのキーパーソンが金良泰准教授です。
所属する経営学部国際ビジネス学科でも、重要な役割を担われており、余人をもって代えがたい人材です。
その一方で、日常的には、物腰が柔らかく、さまざまな学生から慕われています。

Qプロフィール

私は、経営学部において国際経営論、国際貿易論、アジア経済論、企業とグローバル人材論の専門科目と演習を担当しています。
2021年に愛知東邦大学に着任するまでは、韓国の大学と研究所で研究者として働きました。長らく務めた聖公会大学等では日本企業論、韓日経済比較論、日本企業と経営、日本経済論の科目を教えました。また、研究所に勤めた頃には主に国家プロジェクトの研究に参加し、アメリカ、中国、台湾、イギリスで勉強した先生方々とチームを組んで共同研究を遂行しました。中央大学電子貿易研究所、聖公会大学労働史研究所、東国大学経済学研究所、ソウル大学日本研究所などで遂行した研究成果は論文と共著として発刊されました。

経営学部国際ビジネス学科 金 良泰准教授

Q現在の研究テーマ

現在、私は「CASE」革命と自動車産業について研究しています。CASEとは「Connected(コネクテッド)」「Autonomous(自動運転)」「Share & Service(シェア&サービス)」「Electric(電動化)」という意味をもち、自動車産業を取り巻く重要なトレンドを表しています。世界の主要完成車メーカーはCASEとカーボンニュートラルの目標を掲げ、ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV/BEV)、燃料電池自動車(FCV)などの電動車(xEV)への移行を進めています。特に、米国で制定されたインフレーション抑制法(IRA: Inflation Reduction Act)はバッテリーのみで走る電気自動車(EV/BEV)を対象に補助金を出す内容が含まれているため主要完成車メーカーの対応が問われています。

Q趣味は?

スポーツの観戦(野球)です。来日する前は、週末になると地元のプロ野球チームの試合を見に足を運びました。妻と美味しいものを食べながら応援したり、色々なイベント等に参加して楽しい時間を過ごしました。今は多忙な毎日を送ってますが、少し余裕ができたら中日ドラゴンズと名古屋グランパスの試合に行ってみたいです。

Q子どもの頃の夢

経営学部国際ビジネス学科 金 良泰准教授

野球選手と飛行機のパイロットになりたかったです。

Q日本留学のきっかけ

韓国で通った大学の交換留学プログラムを利用し、日本留学を決めました。韓国の高校では第二外国語の授業があり、日本語を選択していたので、日本に興味を持ちました。初めは日本への好奇心でしたが、次第に他の勉強も面白くなり、東北学院大学、日本大学大学院商学研究科(博士前期課程)、明治大学大学院経営学研究科(博士後期課程)で経営学を専攻し、自動車産業における経営戦略、経営管理、人的資源管理について研究しました。

日本留学で素晴らしい指導先生に巡り合い、研究・論文指導を受け一人前の研究者になれたことに感謝したいです。

Q日本と韓国について

日本と韓国は地理的にも近く、多くの面において似ている部分が多いと思います。食べ物も美味しく、日本文化に興味を持つ韓国の若者も非常に多いです。私は来日する前に、家族連れで北海道、青森、東京、京都、沖縄に行きました。とても良い所で日本の四季を楽しめました。韓国旅行にいくなら地元の仁川をお勧めします。仁川は、エアポート、シーポート、トランスポートを持つメトロポリタン都市です。1時間の距離でソウル市内、軍事境界線、首都圏付近の観光地を見ることができます。旧都心は韓国最大のチャイナタウンと1920年代の重要文化財が数多く残っています。新都心となるソンド新都市は国際自由貿易地区に指定され、国内外の高校と大学のほか、サムスンバイオテクノロジー、セルトリオンなどの多くのグローバル企業が拠点を置いています。

日本と韓国共に治安もよく住みやすいです。特に日本の冬は韓国よりも温かく、常に青空が見えるほどの大気質がいいです。一方で韓国の夏は湿気がないので多少暑いけど蒸し暑さではないのでいいかもしれません。

Q卒業生または学生に一言

私のクレドは「自分を信じて、前に進もう」です。私は一般の韓国国民が経験したように、民主化運動、その後の大混乱期には2年半(30か月)の兵役、日本留学中にはIMF経済危機などの大変革期を経験しました。夢を諦めたこと、挫折のどん底に陥ったこともありましたが、イエス・キリストの救いを求め、自分を信じて前に進むことができました。
日本と韓国は国民主権を大事にする自由民主主義の国です。自由と平和を守り、戦争のない世界を目指して協力していくことを願っています。

経営学部国際ビジネス学科 金 良泰准教授

金先生は、2021年に本学に着任されていたのですが、ゆっくりお話をする機会がありませんでした。コロナ禍の影響で、歓迎会などを行うことができなかったためです。そこで、この機会にぜひ私も!と、インタビューに参加させていただきました。(経営学部:手嶋慎介)

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