personal09短大5回生 本多久夫さん
あの人、この人 | INTERVIEW 09私たちの後にたくさんの東邦短大の卒業生がついて来てくれるといいですね。
短大5回生 本多久夫さん
税理士事務所
メッセージ
静かな山奥で趣味の錦鯉を飼育するという夢は現在まで実現していません。今はゴルフクラブを手に山を駆け回る今日この頃です。
今回は、現在の商業実務専攻にあたる会計税務コースを卒業され税理士の資格を取り、市内に事務所を構える本多さん(短大5回生)の「あの人この人」です。
6月5日(日)快晴。12時30分に近鉄の改札口で待ち合わせのはずが、約1名、12時45分発の電車に乗って、待ち合わせの場所に着いたのが13時05分過ぎ…。結局、今回の原稿書きがこの時点で私の頭上に輝いたのは言うまでもありません。余計な愚痴はさておき、今回の「あの人この人」は名古屋市内で「本多税理士事務所」を開設している短大5回生の本多久夫さんを訪ねました。
近鉄線で名古屋駅から約5分。八田駅周辺は静かな住宅街。駅から3分ぐらい歩くと「本多税理士事務所」があります。本多さんは富山県の出身で、電気関係の工業高校を卒業し、名古屋の建築会社で3年間働いていたそうです。
「自分はそれまで技術系が好きだと思っていたんだけど、やっぱり何か向いてないんだよね。仕事を3年間やって何か身につけないといけないと思った時に、ひょんなことから税理士とか公認会計士という職業を知ったんだよ。これはひょっとすると…と思ってまず、大学に行くことにしたんだよ」こうして、本多さんの新しい目標が定められたそうです。
短大在学中は、簿記やソロバンが全くできなくて苦労したり、3年間勉強から遠ざかっていたのでそのブランクを取り戻すのに苦労したりで、人並みならぬ努力を重ねてきたそうです。でも、実はチャッカリ将来の伴侶となるべき人を見つけているんです。奥様とは同級生で学生時代からの愛をずっと育みながら、昭和53年に結婚。その間約7年間本多さんの影になりひなたになりと支えてこられたんだと思います。
本多さんは短大卒業後、小津教授の知り合いの税理士事務所で働きながら税理士の資格を取得するために、コツコツと勉強されてきたそうです。2年目に所得税法、3年目に相続税法と合格し「これなら大丈夫と思って、安心しちゃって…」全く合格できない時期が4年程あったそうです。
同級生で同じようにして試験を受けてきた、渡会さん(現在は本多さんと同じように名古屋市内で税理士事務所を開設しています)に抜かされていってしまい、これではいけないと思い9年目に簿記論と法人税法の2科目に合格して、念願の税理士の資格を取得することができたそうです。
「私にとっては年月がかかったけれども、こうして試験に合格できたことは本当にラッキーでした」謙虚な弁でしたがやはり目標を成し遂げた後の自信がありありとわかりました。
「私たちの後にたくさんの東邦短大の卒業生がついて来てくれるといいですね。特に年々女性が増えてきているし、東邦短大のレベルが上がってきているとも聞いています。名古屋の国税局管内に東邦短大の卒業生がほとんどいないので、さみしい限りです」そうは言ってもなかなか難しいですよね。(今税理士を目指しているみなさん、がんばってください)
ここで本多さんの一日の様子を聞いてみました。起床は午前9時から仕事ができるように起床。(多分8時から8時30分位と思われます)9時から事務所へ行って通常業務をし、外回りで集めた資料をコンピュータに入力します。それを元に毎月の利益管理をしたり、税務申告(税理士の主たる業務)をしたりで、だいたい午後5時に仕事が終わるそうです。
アフター5の楽しみ方は、趣味に没頭するそうです。趣味というのは錦鯉を飼うことで「この趣味は金魚鉢で買っている頃からもうかれこれ20年位になるかな」と目をキラキラ輝かしてうれしそうに鯉の話をする本多さんの人柄がよくわかります。
これから先の目標を聞いたところ、「仕事の目標かあ。本当はなくてはいけないんだろうけどなあ…」と考えながら「私の理想は静かな山奥に入って池のある別宅を持って鯉の飼育をしてのんびりしていることだね」
経済大国日本は“働きバチ”と言われる程20代後半から50代まで、企業戦士たちは休む間もなく働きます。今30代の本多さんも休む間もなく働いていることだと思われますが、心のゆとりを求めるというのはどのような職種にかぎらず働き盛りの男性にとってはみんな懇願するものなのでしょうか。
最後に本多さんから、在学生・同窓生へのメッセージを伺いました。「自分のやりたいことを若い時(学生時代)にやっておく。どういうことであっても体験して視野を広げていくことが自分を向上させていくことにつながっていくと思うんだ。私自身がそうしてきたように…」
取材を終えて
「税理士」というと、お堅いイメージがつきまとうのですが、本多さんはとても気さくな方で取材もスムーズに進みました。本多さん、お忙しい中、取材にご協力いただきましてありがとうございました。