teacher15山極 完治 先生

FOR YOU TALK | INTERVIEW 15自分を好きになることが出来れば自信にもつながる。

山極 完治 先生

1995年10月の邦友会誌 Vol.25に掲載された「FOR YOU TALK」記事より
山極 完治 先生

今回は、山極先生です。
先生は、月曜日から水曜日まで名古屋生活で、あとは神奈川の方に帰られるために、取材日を決定するのに、大変ご無理をしていただきました。

Qプロフィールを教えてください

山極 完治 先生

1949年長野県上田市生まれ、46歳。
パートナーは資生堂参事、「21世紀職業財団」に出向。共働き18年。
1990年より本学教授として企業論・金融論を担当。94年より就職委員会委員長。

Q家族構成を教えてください

パートナーと高2の息子、それに「犬格」を認めた愛犬の“リュウ”との4人家族です。
私がパートナーのことを人に話をするのに、妻と呼ぶのは刺身のつまの様でいやだし、ワイフと呼ぶのは年寄りくさいし、日本語では表現するのがむずかしくて、一番当てはまるのが“パートナー”かなと思っているんで、いつもそう呼んでいるんです。
(お話の中で”パートナーが”という響きが、山極先生にとてもよく似合っていて、とてもステキな関係のご夫婦だと実感しました。)

Q単身赴任ということですが

神奈川より通い始めて6年目になります。 私は、共働きを是としての考えからで、パートナーも仕事を持っていて、お互いやりたい仕事をそれぞれがやるというのが前提にあるんです。だから、名古屋に出て来るのにパートナーからの反対もなかったし、単身赴任ということにも抵抗はありませんでした。
(6年も大変じゃないですか?との問いにも名古屋の生活を楽しんでいらっしゃる様でした。)

Qスポーツは好きですか?

野球が好きで、巨人ファンなんですよ。 高校野球も好きで、東邦高校の結団式に出席するチャンスがあって、出席させてもらったことがあったんです。その時、下出理事長が選手たちに檄を飛ばしているのを見たんですが、人が変わってしまったような理事長には驚きました。
本当に高校野球が好きなんですね。それ以来、理事長に会うと、野球の話題になるんです。そんな縁もあって子供と甲子園にも行ったことがあるんですよ。
ちなみにサッカーは、ヴェルディファンです。

Q趣味は何ですか?

食べること。作ること。 和食好みで、残り物でできるような物を作るのが好きなんです。普段は主婦ではない「主夫」をやっています。特に、夏休みになると3食作るはめになるんです。
(おすすめ料理は?)ほたて御飯やガーリックチャーハンの焦げた所なんかおいしいですよね。
昨年の大学祭では、おはぎやお餅の模擬店を出したんです。私が作り方を教えてね。おはぎは得意でよく家で作るんです。
あとは、土いじりが好きですね。木とか花とかを育てるのが好きなんです。子供の砂遊びみたいな物ですが。

Q女性の職業についてどう思いますか?

実家は上田市で、郵便局をやっていて小さな頃から母が働いているのを見ていたこともあって、職業についても、女性の目線で考えられる要素になっているのかもしれませんね。
以前、1年生のゼミの中で自分の好きなことを自分らしくやった方がいいんだという事を、学生に何度か話していたんです。そしたら、その中に自分は和食を調理する仕事につきたいんだと言う学生がいて、入学したばかりだったけど、ここをやめて専門学校へ変わっていった学生がいました。でもコックとか板前とか男会社みたいなところがある世界なので気がかりではありましたね。
女性は主婦としては力があるのに、仕事となるとそうじゃないという所があって、ある女性の研究者が「女性が社会に出てきたと言うけれど、それでもやっている仕事が違うんです。事務職とか、保母とか男会社を均等に分け与えられているわけではない。」とね。確かにそういう所があるんですよね。

Q学生についてはどう思いますか?

我々の授業というのは、密室なんですよね。授業参観なんてものもないし、批評される事もないからわからないんですよね。
ですから、教師にも責任がないわけではないと思います。だけど半分は学生にも聞く耳を持って欲しいんです。
最近、818,000円という車のCMがありましたよね。あのCMに当てはめて学生に話をするんですが、2年間で新車2台分相当のお金を納めているんだから、その事を考えて充分講義を聞いて欲しいですね。車に例えると車校に通っている学生なんかには、身近でしょ。後の半分は、教師がへた(?)なのかもしれませんね。
2分法と4分法について学生に話したことがあるんだけど、2分法というのは勝つか負けるか、良いか悪いかという様に、日本人が昔から慣れている考え方なんですね。ところが、「~のようで」を中に入れて考えてみると、見方も少し広がるわけです。これは、もともと関西大学で桂文珍氏が、講義していた事なんですけど「聞く」という例だと、
①「聞いているようで聞いている」
②「聞いているようで聞いていない」
③「聞いていないようで聞いている」
④「聞いていないようで聞いていない」
という4つになるわけです。
①と④は、2分法でいうと「聞いている」と「聞いていない」という事になるんです。それに対して、②「聞いているようで聞いていない」というのは授業で前の席に座ってノートもしっかりとって、“勉強してもらってありがとう”って言いたいくらいなんだけど、試験はあまり良くないんです。
こういうのは、生真面目さゆえに、100%聞こうとしているんですね。でも、私の話す事すべてが必要な内容という事はありませんから、結果的に全部聞けていないという事になる場合があるんですよ。
もう一つの③「聞いていないようで聞いている」は、授業中に何か話をしているんだけど、必要な事だけは聞いているという学生がいるんです。そういう学生の方が試験は出来ているんです。試験ですべてが計れるわけではありませんが。
それで、「聞く」という動詞をあらゆる動詞に応用してみると、案外使い道があってね。たとえば「教えているようで教えていない」っていうのもあるだろうし、逆に「教えていないようで教えている」っていう場合もあるんじゃないでしょうか。
私は、できれば後者の方がいいと思っているんですが。

山極 完治 先生

Q最後に卒業生に一言お願いします

最後に頼るのは、自分しかないと思うので自分の個性を活かして自分自信を好きになって欲しい。
そして、お互いに良いところを見つけ合って、ほめて・ほめられる関係ができれば良いと思うんです。そうすれば、お互いを好きになれるしそういう生き方をして欲しい。
そうして、自分を好きになることが出来れば自信にもつながると思います。

取材を終えて

就職委員会委員長・開設準備が進んでいるコミュニティカレッジの準備委員にもなっていらっしゃるので、とても忙しくて予定が詰まっている中、本当にありがとうございました。
比較的新しい先生なので、卒業生の皆さん方には、ご存じじゃない方が多いと思いますが、コミュニティカレッジでは、山極先生の講義も予定されることでしょう。

(担当、稲垣・高木・森川・三浦)

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